第4話 ちんすこう地下アイドルと付き合う!?(前編)

かれこれ時は流れてこの話は

去年の11月。丁度1年前の話になる。

ちんすこうが丁度今の職場に入った直後の話だ。

職場には同い年のK君という男の人がいたが

「知的」で「クール」

まさにちんすこうとは正反対である。

だからこそお互いがお互いへの

接し方が分からずに心の距離が縮められなかった。

しかし現場に向かう途中の電車の道程が重なり

初めて2人だけで話をしてみた。

世間話や生い立ち話を挟み思い切り踏み込んで

「女性」の話をしてみたところ

彼もまた女の子が好きらしく心の距離が

一気に近くなった。



とある木曜日。俺はK君に

船のパブスタに行こうと提案した。

この頃俺は丁度パブスタにハマっていたからだ。

もちろん「OK」の返事。

お酒は飲み放題だし

K君とももう少し話をしてみたかった。

それに「ワンチャン」があればと。



船のパブスタは2階にある。

エレベーターで上りドアが開くと

…びっくり。

全く女がいない。

たしかにこの日は木曜日。

俺達の会社は事情により次の日は休みであった。

しかし世間一般は明日も仕事である。

時刻は20:00。

店員に「女の子は来ないのか」と確認すると

来ないかもしれないしこれから来るかもしれない。

と。そらそうだわな。笑



まあとりあえずK君と乾杯だ。

K君の話を聞くと「相席屋」が好きで

ハプニングバー」にも行ったことがあると。笑

ちなみに俺は未だどちらもない。

それならやはり

尚更女の子が入店してきてほしい!

が、全く来なかった。

時間だけが流れていく。



20:30。



21:00。。。



21:30。。。。。。




全く景色が変わらない。

寧ろ男だけが少し増えた。

カオスな状況だ。



K君から

「お腹が空いた。もう出ましょう」

そう言われちんすこうは少し考えた。

が、あと30分だけ待とうと提案し

K君の足を止めた。



それでも来ない。

来ない。来ない。来ないっ!!



時刻はついに22:00。

「やはりダメだったか」

そう思った頃だった。

二人組の女の子が入ってきた。

顔は忘れたがまさに「女神降臨」

ちんすこうとK君はニヤリとした。

しかしここからが驚いた。



次々と次々と二人組の女の子、三人組の女の子と

どんどんどんどん入店してくる。

「な、、、なに!?」

木曜日のこんな時間から席はほぼ埋まり

店内の男女の割合が女7:男3ぐらいになった。

まさにハーレムだ!

初めてパブスタに来たと言うK君も

大いに喜んでいた。



しかしこの時のちんすこうは逆に「ピンチだ」

そう思った。

何故ならこの状況は「男が目立つ」からである。

少しの動きでも目立つ。

ましてや一組目に声掛けを行い失敗で終わると

ニ巡目に回られた女の子達は絶対に嫌がる。

「妥協してこっちくんじゃねえ」と。

本気で慎重になった。

ちんすこうはそこで一つ閃いた。



喫煙スペースが全体の席から死角になっている。

喫煙スペースにいる女に声を掛けて

そこでなら駄目だったとしても次に行ける!と。

だがK君は自分から第一の声掛けはできないらしく

俺は普段タバコを吸わないが

K君からタバコをもらい喫煙スペースに向かった。



喫煙スペースには二人組の女の子だけがいた。

(よし。ここでなら失敗も許される)

俺はタバコをくわえライターで火をつけた。

「ふーーーー。」

(……ん?)



そこに一人の女の子が現れ俺の隣に座った。

(く、くそっ、、)



ところが喫煙スペースにいた二人組が

カウンターの方へと戻っていった。



時にピンチはチャンスへと変わる。

喫煙スペースは俺と女の子の二人きり。

なんて自然なシチュエーションだ。

俺は声をかけた。



「今日は何人で来たんですか?」


『えっ?ふ、ふたりですぅ…』



少し驚いたようだが悪い反応ではなかった。

そして何よりかなり訛っていた。



「お姉さんどこから来たんですか?笑」

『き、九州ですぅ!』

「おー!」

南国出身の俺からすれば

和むことには何も問題はなかった。

話を聞くと彼女A子は前の日に

九州から遊びに来てたらしい。

連れの子は九州から上京し

ここに住んでいるとのこと。

そしてA子に4人で飲もうと打診をした。



A子と一緒に席に戻ると

驚いたことに俺達の隣の席だった。

そしてK君とA子の連れB子にも挨拶し

皆で乾杯をした。

そして皆で会話で盛り上がり

A子とK君が自己紹介をし合っている内に

俺はB子とコンタクトを取った。

B子が地下アイドルだということを

この時初めて教えてもらった。

俺とアイドルB子の出会いはここからだった。



後編へ続く